日本の錠前で現存する限り最古のカギと言われているのが大阪府の羽曳野市で出土した海老錠です。野々上遺跡から発掘されました。海老錠というのはその名の通り、海老のような形をしたカギです。野々上遺跡と同時代に唐から伝来したとされている海老錠が奈良の正倉院に保管されています。
このようなエビ型の錠前は形が変化することなく平安時代末頃まで使われていました。戦国時代に入ると日本独自のものが登場するようになります。これを和錠と呼んで区別しています。
戦国時代が終わると武士の時代ではなく平和な商人の時代になります。産業が発達し、裕福な商人たちが活躍していきます。自身の富を蓄えるために蔵を使用するようになり、それを守るために和錠が実用化されていくのです。戦国時代に刀鍛冶など武器をつくっていた職人たちは仕事がなくなったために錠前職人に転職していく流れもありました。職人たちは商人の希望に沿うようなデザイン性と機能性に優れたカギを生み出すようになっていきます。
和錠を形や装飾で分類していくと7種類に分けることができます。そしてこのうち3種類が全国共通のものです。そして残り4種類は特定の地域のみで作られたものになります。特に砂鉄の産地や刃物の産地などは錠前づくりが藩をあげての産業となっていったそうです。
最古のカギ
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