地域ごとに使われていた4種類のカギ以外に、地域に関係なく全国的に使用されていたカギが3種類あります。これらについて見て行きたいと思います。
- ◯海老錠
- こちらの海老錠については既に紹介しました。日本最古と言われているカギです。古代に唐から使われていたものですが、江戸時代になるまで使われていたのです。それほどカギとして完成したものだったということでしょう。
- ◯太鼓錠
- 太鼓錠は南京錠に似たもので現在でも使われています。
しかし、江戸時代に使われていた太鼓錠は現在のような丸みを帯びた形というよりはもっと四角いものでした。 - ◯船形錠
- その名の通り、船の底のように下のほうが膨らんだ形をしているものです。太鼓錠もそうですが、海老錠を発展させて形が変わっていったもののように思われます。上部分に通っている棒状のものを外したりカギをかけたりすることで施錠していたのでしょう。現在の南京錠と同じ仕組みです。
これらの錠前は手軽に手に入る安価なものだったそうです。時代劇などをみていると牢屋の場面などで出てきます。
これらのカギは明治に入ると南京錠が輸入されてきたことによって姿を消してしまいます。